2011年12月アーカイブ

突き抜ける風俗逃避行【第4章】

なんと彼女が私の後を追って来ていたのだ。

私以上にボロボロになっていた彼女をすぐに介抱し、水を飲ませ、十分な量の木の実も口に入れ、身体を横にして休ませた。
女の顔はやつれ、生きているのがやっとと言った状態だった。

「なんで私の後を追って来たのか」

そんな事は今気になってる場合じゃない。
ずは彼女が元気を取り戻してくれる事が先決だ。

私の看病が功を奏したのか、数日で彼女は立って歩けるほど元気になった。

んな彼女に、何故私の後を追ってきたのか質問をした。

それから数秒考えていた彼女の口から、思いもよらない言葉が飛び出した...

第5章に続く...

突き抜ける風俗逃避行【第3章】

貯金は全て慈善団体に寄付した。
家賃12.5万円のマンションも解約した。
もちろん各ライフラインや携帯電話も止めた。

文字通り私は裸一貫だった。

まず私は歩いた。
何も考えず、いや思考を支配する彼女の事を考えない様に必死に歩き続けた。
足の疲れも、膝の痛みも、喉の渇きすら忘れ歩き続けたのだ。

あれから何日くらい経ったろうか。
いくつの山を越えただろうか。
とある岩山の水場に辿り着いた。

周りには木の実がたわわに実っており、食べるものには困りそうにない。
雨風がしのげ、足を伸ばして寝られる洞窟もある。
今の日本に所有者のいない土地は無いと言われているが、舗装された道も無いこんな場所に誰も来ないだろう。

しばらくここで過ごし、彼女の思いでを時間をかけて忘れよう。
仙台のデリヘルの事も考えなくていいし、そもそも利用すらできない状況だ。
見なくていい物、聞かなくていい事、知らなくていい事、全てが遮断された場所で自分と向き合おう。

そんな矢先に想像もしない事が起こった...

第4章に続く...

突き抜ける風俗逃避行【第2章】

彼女を力の限りに抱きしめていたのだ。
彼女が誰かに奪われてしまう位なら、強く抱いて壊してしまいたいとすら思ったのだ。
物心ついた時から喜怒哀楽が無く、何かに夢中になる事もなかった自分の中にこれほどの激しい情が眠っていた事に自分でも驚いた。

だか、当然彼女のリアクションは引いていた。
完全に、引いていた。

次の日からはまるで心にぽっかりと穴が空いた様に、まるで生気の無い人間になっていた。
仕事に打ち込めるはずもなく、上司には放っておかれるようになり、業績もみるみる内に下がっていった。
あれほど慕ってくれていた部下たちも、冷めた目で私を見るようになった。
当然、恋人も私の目の前から消えていった。

だが、空っぽになった私に苦しみなど無かった。
全てがどうでもよかったのだ。
ただ酒が美味かった。

やがて仕事も辞め、じっくり自分と向き合う時間が増えた。
今まで充実した成功者の生活を送ってと思っていたが、それは本当の意味の充実とはかけ離れたものだという事が分かった。

私は旅に出る事を決意した。

第3章に続く...